プラスチック 汎用プラスチック 汎用エンプラ 特殊エンプラ 熱硬化性樹脂材料
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プラスチック

 

プラスチックとは、日本工業規格JIS K 6900では「必須成分として高重合体を含み、かつ完成品へのある工程のある段階で流れにより形状を与え得る材料」とされています。ただし、流れにより形状を与え得る弾性材料は、プラスチックとは考慮されないと決められています。
 一口にプラスチックといっても、金属に代わって構造材として使用出来るものから、ゴムのように柔らかい材料まであります。
 最も基本的な分類として、熱的な性質から、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分けることが出来ます。

熱可塑性樹脂原材料
熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)は、熱を加えることにより、溶けて粘度の高い液体になり、冷やすと固体になります。これを繰り返すことが出来るので、固体になった物を砕いて再度原料として使用ができ、加工は比較的簡単です。
しかし、プラスチックの分子は加熱を繰り返すと、分解をすることが避けられませんので、あまり何回も再生できません。
熱可塑性樹脂は、そのままで加工機械に入れることが出来るように、重合によって製造したポリマーまたはコポリマーに、安定剤などの添加剤を入れた米粒状のペレットの状態で販売されています。 
熱可塑性樹脂は、汎用プラスチックスとエンジニアリングプラスチックスに分けることが出来ます。

熱硬化性樹脂原材料
 熱硬化性樹脂(thermosetting resin)は、加熱を続けるうちに固体になります。熱可塑性樹脂と異なり、再度加熱しても再び柔らかくなりません。このため、再加工は出来ません。その反面、高温でも使用できる特徴があります。加工法や温度性能が異なり、熱可塑性樹脂が使えない独自の用途で用いられています。
熱硬化性樹脂には、基剤と硬化剤を混ぜて硬化反応を起こさせるタイプもあります。
熱硬化性樹脂の成形は、成形中に硬化反応をさせる必要があります。つまり、反応を完結させるのに時間がかかり、各部の反応が均一になるためには温度を厳しく制御する必要があります。

汎用プラスチック
汎用プラスチックは、価格が比較的安く、加工もしやすい熱可塑性プラスチックで、工業用品から日用品、雑貨にいたるまで広く使用されています。家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、サッシなどの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材といった、日ごろ私たちが目にするプラスチックのほとんどが汎用プラスチックです。中でもポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)が四大汎用樹脂と呼ばれています。

エンジニアリングプラスチック
エンジニアリングプラスチックは、汎用プラスチックと比較すると、高い温度でも使えるとか、衝撃を与えても割れにくいといった優れた特性を持っています。そのため、高い機能が要求される部品に使われます。構造材や耐熱、耐じん性の高い材料、機械の機構部品に使用されることが多い樹脂です。
エンジニアリングプラスチックにはいろいろな要求特性があるため多くの材料が開発されていますが、使用量は汎用プラスチックの約十分の一程度です。
エンジニアリングプラスチックは、汎用エンジニアリングプラスチックと特殊エンジニアリングプラスチックに分けることができます。

汎用エンジニアリングプラスチック
汎用エンジニアリングプラスチックはエンジニアリングプラスチックの中でも主要に使用されている5種類{ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリエステル(PET・PBT)}をいいます。エンジニアリングプラスチック全体の約9割を占めます。
これらにはそれぞれ性能に特徴があるため、用途に応じて使い分けられていますが、主に自動車や電機・電子機器などに多く使用されています。

特殊エンジニアリングプラスチック
特殊エンジニアリングプラスチックは、汎用エンジニアリングプラスチックよりも更に特殊な性能を持つ熱可塑性樹脂のことをいいます。
このような材料は、使用量は少ないですが、高温にさらされる可能性のある電気絶縁材料や機械部品のような特殊な分野に使用されています。ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)などがあります。

 
 
 
 
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