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汎用エンジニアリングプラスチック

 

 汎用エンジニアリングプラスチックはエンジニアリングプラスチックの中でも主要に使用されている5種類{ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリエステル(PET・PBT)}をいいます。エンジニアリングプラスチック全体の約9割を占めます。
これらにはそれぞれ性能に特徴があるため、用途に応じて使い分けられていますが、主に自動車や電機・電子機器などに多く使用されています。
 PA

ポリアミド(PA)は、ナイロンとも呼ばれています。数多くのタイプが販売されており、さまざまな用途に使用され、代表的なものにPA6とPA66があります。
表面硬度が高く、摩擦磨耗特性が良く自己潤滑性があります。
ガラス繊維(GF)強化で荷重たわみ温度を改良したものもあります。例えばPA66非強化は70℃(16.8kgf/cu)ですが、GF30%入りでは250℃です。
化学特性は、耐薬品性・耐溶剤性は高いのですが、フェノール類、濃度の濃い無機酸などには侵されます。
優れた酸素バリヤー性、自己消火性があります。
吸湿・吸水率が高いので寸法の変化や衝撃強さの変化がありますが、中にはPA9Tといった吸水率が小さいものもあります。
用途としては自動車・車両向けで、エンジンカバーやドアミラーステイ、エンジンルーム内の電装部品などに使用されています。電気・電子部品にも多く使用され、特に燃えないようにした難燃グレードが中心となり、コネクタやコイルボビン、スイッチなどに使われています。

 POM

ポリアセタール(POM)は、金属の代替としてさまざまな産業の機械部品(特にギア・カム等)に使用されています。ホモポリマー(単独重合体)とコポリマー(共重合体)があります。加重たわみ温度はホモポリマーの方が優れていますが、熱分解挙動、熱劣化特性、耐熱水性、耐アルカリ性はコポリマーの方が優位です。
機械的特性としては、強度と弾性率が大きく、耐疲労性、耐クリープ性、自己潤滑性、耐磨耗性がよく、表面硬度も硬いです。
化学的には吸水性が低く寸法安定性があります。耐有機溶剤性、耐油性、耐グリス性が良好ですが、無機酸や有機酸には侵され、塩素や塩素系薬品によって分解します。
用途としては自動車、電気・電子、OA機器用途が多く、自動車分野では亜鉛ダイカスト品の代替が中心で、ハンドル類、スイッチ類、ワイパーモータ・ドアミラー・窓ガラス用のギア類などがあります。電気・電子分野では家電やOA機器等の駆動用のギア、軸受、レバー、ローラーなどがあります。身近なところでは、衣料用のファスナーやホックにも使用されています。

 PC

ポリカーボネート(PC)は、透明で衝撃に対して非常に強いプラスチックですが、厚み依存性があります。それ以外には、吸水性が小さく寸法安定性が大きいこと、自己消火性、耐熱、耐低温性、耐候性に優れています。強酸やアルカリには侵されます。
用途は電気・電子・OA機器、押出用、自動車・機械が多く、電気・電子・OA機器では透明性と寸法安定性を活かしたCD、CD-ROM、DVD等のディスクや、耐衝撃性、流動性、高剛性、耐熱性を活かしたパソコン、携帯電話、プリンタ、AV機器などのハウジング、シャーシや電池のパックケースに使用されています。自動車用途では耐熱性、耐衝撃性を活かしてヘッドランプレンズ、メーター板、ドアハンドルなど、機械分野ではカメラボディ、レンズ鏡筒、電動工具のハウジングなどに用いられています。

 m-PPE

PPE(ポリフェニレンエーテル)は、耐熱性が高く機械的性質などが優れていますが、流動性が悪く成形が難しいという欠点がありました。そのため、成形性を改善するためにポリスチレン(PS)とブレンドし、変性ポニフェニレンエーテル(m-PPE)が作られました。
m-PPEは他樹脂との組み合わせで色々とアロイ化されており、その代表的なものにm-PPE/PAがあります。
代表的なグレードであるPPE/PS=1/1の特徴は、比重が1.06で汎用エンプラのなかでは最小でコストメリットがあります。耐熱性が優れており、酸・アルカリには侵されませんが、耐有機溶剤性はよくありません。耐熱水性は汎用エンプラ中では最もよく、吸水率が小さいので水中や熱水中でも寸法変化が少なく、電気的性質も良好です。
用途は事務機器では低比重、力学的性質、寸法精度などからコンピュータやプリンタなどの情報機器のシャーシ・ハウジングなどに使用されています。電気・電子分野では、耐熱性、難燃性、電気的性質、寸法精度からTV、パソコン、アダプタ、スイッチなどに使用されています。自動車ではホイルキャップ、エアスポイラなどがあります。

 PET

ポリエチレンテレフタレート(PET)は通常ペットと呼ばれています。
PETの一般的な特徴としては、透明性が大で、食品に対する安全性や耐薬品性、耐熱性も良好です。リサイクルが容易なこともあげられます。
代表的な使用例としてペットボトルが有名ですが、フィルムとしても多く使用されています。磁気テープ(ビデオテープなど)や磁気カードのベースフィルム、レトルト食品の包装、滅菌バック、電気電子材としてコンデンサ誘導体、絶縁テープなどがあり広範囲にわたります。
ガラス繊維強化した強化PETは、耐熱性、高剛性、表面外観の特徴を活かして自動車、家電、電子の各分野に使用されています。

 PBT

ポリブチレンテレフタレート(PBT)は耐熱性ではPETに劣るものの、成形のし易さから需要量が多いプラスチックです。
一般的に使用されるガラス繊維強化PBTの特徴は、耐磨耗性、自己潤滑性、耐疲労性、耐熱性がよく、電気的性質も良好です。化学的には吸水性が小さく寸法安定性は汎用エンプラの中でトップクラスです。アルカリや過熱水蒸気などには弱いですが、耐候性、耐酸性、耐油性には優れています。
用途は自動車、電気・電子分野が多く、自動車ではワイパ部品、ウィンドウォッシャノズル、メーター部品などの内・外装部品、電装部品に使用されています。電気・電子分野ではコネクタ、ソケット、スイッチ、TV部品、パソコンのキートップなどがあります。

 
 
 
 
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